アンドレ・ブルトン：ナジャ

1.作品
シュールリアリズム運動の中心人物として有名な芸術家アンドレ・ブルトンによる著作「ナジャ」。彼と交友を持っていた女性ナジャとの生活を中心に描かれた作品。

2.印象
アンドレ・ブルトンの著作と言うことで、実は自動記述的な作品なのかと思っていたのだが、実際には、日記的な散文。文章表現そのものも特に特殊なものは感じられない。ただ、ナジャという女性の存在だけが特異であって、その、どこか浮き世晴れれした優雅さというか、夢遊感というかがとても印象に残る作品。どこまで、事実に基づいているのか分からないが、実在の存在ではあるらしい。そこに、アンドレ・ブルトンの思いが強くのって、どこか薄膜の向こうにいるかのような人物像として描き上げられているのかもしれない。シュールリアリズム云々というよりも、美しい芸術的散文として良い味わいを感じることの出来る作品。

関連リンク：
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