三度目のフライト Flying Colors



Flying Colors

Mike Portnoy のいくつかの活動の一つ Flying Colors。そのほかのバンドメイトとして、Dave LaRue, Casey McPherson, Neal Morse, Steve Morse が在籍していて、つまり、スーパーバンドと呼ぶべきバンド。
その3枚目のアルバム、Third Degree がリリースされたので聴いてみた。


前作通り

サウンドのイメージは、前作までと変わらず、タイトな演奏ではあるもの、過剰に複雑にならず、過剰に早くならず、ポップロックとしてあえて歌ものとしてまとまりを重視させたサウンド


歌もの

その歌ものの要、Casey McPherson の独特な声質がいい。サウンドのイメージとうまくマッチしていて、サッドなバラッドの "You Are Not Alone"では、憂い満点だし、ポップな"Love Letter"では、張りがあって気持ちいい。


期待通り

こういう、ある意味いい作品が出来て当たり前と想われているバンドって、期待通りの作品を作るのが大変な気もするが、さすがに才人ばかりのバンドだけあって、期待通りの作品がしっかりと出来てきている。
癖の薄い作品なので、プログレ好きだけではなくて、多くのロックファンに楽しめる作品だと想う。


Third Degree -Bonus Tr-

Third Degree -Bonus Tr-

関連リンク:
Flying Colors | The Official Website of Flying Colors: Casey McPherson, Steve Morse, Dave LaRue, Neal Morse and Mike Portnoy
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レムコレクション最後の作品 主の変容病院・挑発

スタニスワフ・レム

ポーランド出身の小説家、スタニスワフ・レム。様々な作風があるが、SF作家としてが最も有名であろう。また、彼の名著は、映画化もされており、「ソラリス」はタルコフスキーによる映画化で、名作映画としても知られている。


レムコレクション

2004年くらいに始まったこのシリーズ刊行だけれども、実に10年以上の月日を経てようやく完結。まぁ、読み手が少ない一方で、翻訳に手間のかかる文学においては良くある話しだけれども、忘れた頃にようやく出版された最後の巻が「主の変容病院・挑発」である。


作品集

この刊行は、初期の文学的作品「主の変容病院」と、架空の作品に対する書評「挑発」、および随筆といってもいいのだろうか、指向実験的な著述「二一世紀叢書」で構成されている。


主の変容病院

ある若い医師の物語。様々な事情を経て彼が働き始めた病院。その病院における患者の精神状態の描写にすでに深い洞察が感じられる作品。しかし、それだけではないのがこの作品で、彼の出身であるポーランドが色濃く出ており、明らかに戦時のナチスによる行為がこの病院に最終盤に襲ってくる。
最後の場面の描写だけが、何とも飲み込みきれないところはあるが、人間の感情とは何かに迫っているとも感じる病院の患者に対する描写は心につきこんで来る。また、さらにそこに訪れる悲劇を思うとなおのこと。
平穏に生きている人が自己の薄い価値だけをばらまこうとすることの悲劇。


挑発

この作品にもまた、同様の要素が深く描かれる。しかし、視点は冷静であり、分析的である。結局何がそのような湖とを引き起こすのだろうかと。


二一世紀叢書

こちらは、レムの科学的知識の側面が全開となる作品。
生命を持つ地球の誕生は、奇跡的であるのか、確率的であるのか。
そしてさらに、人間へとつながる過程での恐竜の絶滅。
いずれも、ある種の悲劇、もしくは、劇的な環境の変化が、終末を引き起こすと同時に新たな胎動にもつながっていくということ。
その振り返りにとどまらないのがこれの面白いところ。そこからさらに進化すると何が起こりえるのか。究極的な生存力を持つと結論づけることの出来る昆虫、さらにはウィルス。
やがて、それらの原理に基づいた兵器が開発されたとすると。そして、疑心案気が抑止力を奪い去ったときに、それは、ある種の人類の絶滅へとつながりうるのだろうか。


深くて

この作品集は、レムの作品を読み切ったという人向けであることは間違いない。彼らの洞察の深さを十分に理解した上で、より生のレムの考え方が読み取れるのがこの作品だと思う。
ある意味では、ジェノサイドを軸にした作品集だが、その意味では最後の作品の結末はものを想う筋道である。
レムの熱心なファンは必ず読むべき作品だと思います。


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Marillion の美しさ ALL ONE TONIGHT



Marillion

イギリスの誇る孤高のバンド Marillion。アルバム FEAR をサポートするコンサートの中で行われた、Royal Albert Hall でのライブを収めた作品が、"ALL ONE TONIGHT - LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL"。
なんとなく、改めてみたら、やっぱり語らないではいられないので、ちょいと書いてみる。


FEAR

このライブは、二部構成で出来ていて、まずは、FEARのアルバムからのライブが前半戦。ライブ自体の素敵さも壮なのだけれども、この映像作品では、このホールそのものの美しさを生かした映像となっていて、映像としての鬱草も際立っている。ステージ後方のモニターに映し出された愛という漢字とMark Kellyが収まった画面は特に印象的。
もちろん、演奏も彼ららしい安定した演奏とそして、何よりも、Hogarthのボーカルが最高に美しい。映像と合わせて聴き惚れないではいられない。


ミニオーケストラ

後半は、弦楽管楽を加えて、過去の美しき作品群の演奏。
これがまた、美しいんです。
定番の Easter はより美しく、そして、Man of the Thousand Faces では、観客のコーラスが最後まで、これもまた美しく響き続ける。
最後は、THE LEAVERS: V. ONE TONIGHT で締めくくり。ここもまた、紙吹雪が舞う美しさと曲の美しさが相まって。


とにかく美しい

何もかもが美しい映像作品です。ホールも映像そのものも、おして、何よりも楽曲そのものが。やっぱり、Marillionです。


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marillion.com | Racket Records Store
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遂に来た TOOL 新作は、言葉を失う



TOOL

なんと表現していいのかわからない圧倒的な存在を示すバンド TOOL。
圧倒的なヘヴィでかつ複雑怪奇なサウンドによって、最早他の追随を許さぬ孤高の存在。長らくの新作が待たれていたが、遂に13年ぶりの新作 Fear Inoculum をリリース。


Fear Inoculum

CDの構成はいつも凝っているが、ここに来て、時代のストリーミングに対抗するかのように、モニター付きの衝撃的な限定盤をリリース。一方で、過去の作品がこれを期に、ストリーミングで解放されるや、ランキングを独占するという。TOOLがこの新作で一気に帰ってきた。


圧倒

ここまで、間隔が開くとファンの期待のハードルも相当上がって、非常に難しい新作のリリースになると思うのだけれども、そんなことは全く関係なく、凄い作品がまたできあがってきました。
10分を超える曲が、平然と並ぶアルバム構成。そして、もはや一体何拍子なのか全くわからない、リズムがヘヴィに沈み込む。そこにのる Maynard のボーカルが、また、その複雑な拍子の間を飛び移るかのように紡いでいく。


陶酔

この複雑さについて行く成ったときに、そこにあるのは正に陶酔。そう、この圧倒的な音世界に、もはや身を任せるしかない。追っ手も追っ手も追いつけないその世界に、ひれ伏す。


7empest

そして、その中でもなおのことすさまじいのが、7empest。ここまでくると、もう、何も言えない。どうやっても表現することが出来ない。
まさに言葉を失う。そして、その音の中に嵌り込み、身を任せ、自然と動く体で音を聴いていく。


すごい

最後に、陳腐な言葉になってしまうけれども、すごいです。
全音楽ファンが聴くしかない名作、TOOL の Fear Inoculum。
筆舌に尽くしがたいとは正にこの作品です。


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アルゼンチンのストレンジポップ Catu KuÁ



Catu KuÁ

Catu KuÁ は、アルゼンチンのバンドで、Factor Burzaco のボーカリストによるバンド。ポップでアヴァンギャルドサウンドが面白いバンドで、その新作 Que Vengan Los Pájaros を聴いてみた。


へんてこ

簡単に言うと、へんてこポップサウンド。アンニュイなキュートさのある女性ボーカルのスタイルに、ちょっとけだるさのある力を抜いた感じな演出のあるバックバンドのスタイルが重なって、とっても独特なポップサウンドを作り出している。


身をゆだねて

サイケなところまでは行かないしポストロックな感じもないのだけれども、もう少し覚醒度は高めながらも、夢うつつな雰囲気が漂っていて、そのサウンドの中に身をゆだねてしまうととても気持ちがいい。


ストレンジ

ちょっと変わったサウンドを追い求めているような方には、うってつけだと思う。ストレンジなポップサウンドがなんとも中毒性があります。
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Catu KuÁ
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天使と悪魔 Rolo Tomassi の儚さと轟音



Rolo Tomassi

Rolo Tomassi はイギリスのバンド。2005年にデビューしていて、すでに5枚のアルバムをリリースしている。Spence 兄妹を中心としたバンド。
その2018年作品を Time Will Die and Love Will Bury It を聴いてみた。
私は、このバンド知ったのは最近なんですが、下記のYoutubeで衝撃を受けて、このアルバムを買ってみたのです。


Rolo Tomassi - Aftermath (OFFICIAL)


Rolo Tomassi - Rituals (Official audio)


ポスト・スクリーム

バンドをあえてジャンル分けをするとどうなるかですが、これが難しい。
特にこのアルバムは、アンビエントなポストロック色もあれば、変則的な拍子使いで、マスロックともプログレッシブロックともいえそう。だけれども、デスボイスと轟音で責め立てるハードコアサウンドに豹変したりもするから、おするべし。


天使と悪魔

まるで、天使と悪魔のようで、女性ボーカリストがクリアボイスとデスボイスを使い分けて、それに呼応して、バンドサウンドも音響系からデス系へと変形する。
煽られるようにして感極まった感情は、次の瞬間に破壊的なカタルシスを感じさせるヘヴィネスの中に突っ込んでいく。


この落差

この落差が溜まらない。両極に揺さぶられる感情は、しかし、まさに感情そのものであって、もう、身をゆだねないではいられない。
Sigur Ros と Meshuggah を続けざまに聴かなくても、このバンドの中にそれぞれが収まっているというそんな感じ。


超絶お勧め

来日公演もしたこともあるようなので、知っている人は知っているバンドだとは思うけれども、まだ日本での知名度は高くないかもしれない。
どういう人にお勧めできるか難しいけれども、幅広い音楽を聴きながらも、ポストロックからメタルコアな感じまでも受け付けられる人なら、一聴の価値はあると思います。


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Devin 様は相変わらずの楽しさです



Devin Twonsend

圧倒的すぎる才能で、ボーカル力とギターテクを操りつつ、重厚なサウンドのプロデュース力でも知られる Devin Townsend。
その新作 EMPATH を聴いてみた・


にわとり

いきなり、コケコッコーから始まるというサプライズからの導入。
そこからは、正に、Devin Townsend 満開。
ノリが良くて楽しくて、重厚で、そして、複雑で。あれやこれやの手法の音作りで、とにかく遊園地のような楽しさのサウンド。ジェットコースターのような高速さから、メリーゴーランドのような華やかさまで。


轟音

ポストロック系の轟音とはまた違うんだけど、Devin 特有の音の分厚さが、これがまた心地よくて、音の洪水が襲ってくるような、それでいて色合いの多い轟音が押し寄せてくる感じは、溜まらなく心地よい。


あいかわらず

いや、相変わらず傑作です。この才能は恐るべし。
聴きやすくて、でも複雑で何度でも楽しめるこの感じ。
やっぱり凄いですね、Devin様。