パラダイス・ナウ:東京都写真美術館



1.UPLINK配給
なかなか渋い、映画の配給やDVDの発売、トークショーやギャラリー展示などを展開しているUPLINKの配給にて、日本上映される事となった、パラダイス・ナウを見に行ってみました。ちなみに、東京都写真美術館ホールとUPLINKにて、上映中。


2.パレスチナイスラエル
イスラエルの占領地に生きる若者二人。ある日、自爆テロの実行者に選ばれる。そして、そこから葛藤が生まれる。自爆テロに意味があるのか、何かの解決になるのか、それは、パレスチナのためなのか、自分のためなのか、家族のためなのか、そして何を得るのか、名誉なのか、復讐なのか、宗教なのか。普段、想像すらしない自爆テロ実行者個人の感覚を描いた作品。ドキュメンタリーではなく、映画として作成された作品。


3.個人
私個人の、勝手な思いこみもあって、例えば、自爆テロなどの事件が中東で起こったとしても、その自爆テロを起こした人個人、もしくは、その家族については、考えにも及ばないのが事実。しかし、この映画では個人の感情を描いていて、とても興味深いというか、考えさせられるところ。一体、誰が残酷なのか。イスラエルか、それとも自爆テロを計画する人々なのか。


4.事情
それぞれが、それぞれに事情を抱える。我々は、こういった内容に対する正義の議論の場合、誰もが同じ地平に立つという前提から議論をしてしまう。しかし、実際には、それぞれにそれぞれの事情を抱え、それが、感情と行動に少なからず影響を与える。そこまで加味したときに、正義とは一体何なのか。そして宗教とは。我々は、遠い国でその現地の感情を考えもせぬままに、正しい事、間違っている事を議論しすぎているのかもしれない。そして、本来彼らを主にした議論であるべきところが、自らのための議論をしている場合も多々ある。


5.ぐっとくる
エンドロール。何かが、ぐっとくる。例えば、我々の憲法論議もどこか空を切っているようにも思えてくる。自衛隊についても。たとえば、自衛隊の存在について激しく議論するけれど、では、自衛隊が何処にどのような目的で、どのような立ち位置で行くのかについては、議論があまりなされていないようにも思う。そう、一体誰のために。
多分、個人のためという以外には本当は、答えがないのだと思う。そこにいる個人、戦わなければならないかもしれない個人。死に直面する個人。しかし、容易ではない。


6.是非とも見ていただきたい


パラダイス・ナウ


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