ロックで普通な muse の drones は深い
Muse
今や、ロック界でも、最も成功しているバンドといってもいいだろう Muse。一般的な人気を誇るメロディアスな要素とともに、コアなファンもうならせるテクニックと楽曲の面白さが幅広いファンをひきつけているといってもいいのだろう。そんな彼らの「原点回帰」が掲げられた2015年新作 Drones を入手して聞いたみた。ストレート
この作品の最初の印象は、普通のロックだなってところ。彼らの作り出してきて、宇宙的なイメージのあるようなサウンドや壮大さ、複雑さといった要素はあえて切り捨てて、ストレートなロックのイメージをより強調している作品に感じる。ロック
その意味では、かなりロックしている作品とも表現できるだろう。ギターリフはいつもよりもうねっていて、ギターソロもフリーキーに駆け回る。ドラミングも小気味いいというよりは激しさを感じさせるそれ。そして、そこにコーラスワークによる疾走感だとかを掛け合わせていて、ロックなダイナミズムをより生かそうとして、シンプルさにこだわっているようにも感じる。
成熟した若さ
その意味では、成熟した若さというのか、そういう印象もする。ストレートな疾走感に若さを注入しているようでいて、そこには随所に計算されたものが見え隠れするにくい演出に成熟さも感じる。しっかりと構成されているので、一聴すると、すぐに飽きそうな気もするけれども、実際に聞き込んでみるとなお味わいが深まっていくという。このあたりには彼らの実力を感じる。
ファン向けか
パンチのある曲で一気に虜にするという要素が少ないので、どちらかというと、今ままでの Muse 好きがさらに彼らを好きなるというようなタイプのアルバムで、初めて聞くとしたらで勧められるようなアルバムではないかもしれない。しかし、繊細に作りこまれたこの作品の深さは、味わってみればうならずにいられないだろう。
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