ロシアの馬鹿テク Lost World Band はキレてます
Lost World Band
ロシア屈指のプログレバンド Lost World Band。フルートやバイオリンを含むバンド構成で、高速インストルメンタルをかますバンド。そんな彼らの新作 Spheres Aligned を聴いてみた。なおこの作品は、Bandcampでも買えます。
安定の
彼らは、デビュー当時は、切れ味あふれるエッジの効いた高速サウンドで度肝を抜いてきたのですが、作品を重ねる毎にそのテクニックに加えて、叙情的なパートでも、聴かせるサウンドを見せるようになってきている。この作品では、そういった彼らの総合力が見事に結集した作品と成っている。まさに安定の作品。
ボーカル曲
このアルバムでは、ボーカル曲もあり。特にボーカル曲では、その表現力が光る。ただの馬鹿テク集団ではなく、表現力も豊かな彼らの実力そこに感じる戸とが出来る。柔らかな叙情を持った表現力でしっかりと聴かせ、そこから、一気にまた高速パートへ展開していくというメリハリ、このあたりはさすがである。絶品
そういったところで、馬鹿テク目当てで聴くのは当然のことながら、その作品の完成度もしっかりと味わえる作品と成っているので、かなりのお勧め作品であります。関連リンク:
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エンリーケ ビラ=マタス パリに終わりはこない
エンリーケ ビラ=マタス
散文的な語り口調で、様々なコアな文学者、文学作品に言及しながら、物語を紡いでいくことの多い作家、エンリーケ ビラ=マタス。今回紹介する作品「パリに終わりは来ない」は、自信の伝記的ともいえる内容をベースに、ヘミングウェイを中心に様々な作家に言及しながら進む、パリの生活が描かれた作品。
さらに軽いタッチ
基本的には、軽いタッチの文体で描く作風だけれども、この作品は、さらにタッチの軽さを感じる。以前翻訳で出ていた、「バートルビーと仲間たち」あたりに比べると、格段に読みやすい作品だと思う。また、いつも通り、多数の作家が言及されるのだけれども、言及される作家も比較的よく知られた作家が多いようにも感じる。そんなあたりも含め、読みやすいかるい作品というのが全体の印象。
書くと言うこと
ただ、本書でも彼の一貫した視点として見えるのは、書くと言うこと。書けなくなると言うことから、書くと言うことに言及したのが、「バートルビ-と仲間たち」であり、本書は、とにかく書きたいという想いと、そして、それがオリジナルでありたいという想い、そちら側の意識を強く描いた作品である。つまり
書くと言うことを、そのまま、書くと言うことと捉えてしまうと、書かない人にとってはどうでもいい作品ということか、というと、そういうことでもない。「書く」ということに象徴される自意識であったり自己の存在理由であったり、ということがそこには描かれていると、理解すべきではないかと思う。
いわば、青年期の悩みがこの作品であり、壮年期の悩みが、「バートルビ-」なんだろう。
その意味では
その意味では、この作品の文体の軽さって言うのは、むしろ意図したものであるとも取れる。青年期の深くでも、意外と浅はかな苦悩。これが見事に描き出された作品と言えるのでは無かろうか。関連サーチ:
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激情的な、でも、ポスト=プログレな O.R.k
O.R.k
どちらかというと、King Crimson の Pat Mastelotto と Porcupine Tree の Colin Edwin が参加しているということで、気になってしまったバンドで、彼ら以外には、ボーカルとして、Lorenzo Esposito Fornasari と Carmelo Pipitone が参加している、プロジェクト的なバンド。ポストな
KScope からのリリースと言うこともあって、ポストな色合いをベースにしていて、そこに、ボーカルラインによるポップさであったり、激しさであったりがのっかってくる。曲の良さ
まぁ、なんといっても、曲の良さが際立つ。変化球の多い実験的な音楽でもあるのだけれども、一方で、とても聴きやすいポップな印象もある。A Perfect Circle あたりの感じにも近い印象。
ヘヴィネス
そんなきょくの良さと共に、ヘヴィネスが共存しているので、プログレメタルやら、ポスト=プログレなサウンドが好きな人間にとっては、とっても心地よい。ちなみに
ちなみに、KScope からリリースされたこの作品でこのバンドを知ったのですが、実はすでに2枚のアルバムを発表していて、これが3枚目になるみたい。いいバンドです
ってこと、いいバンドです。Porcupine Tree 系列が好きな人は絶対好きなサウンドかと思います。関連リンク:
O.R.k. - KscopeO.R.k. Band Official website
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ヒットメーカー Trevor Horn によるオケ化
Trevor Horn
Buggles でのエレクトロポップで大ヒットの後に、プログレバンドの老舗 YES に合流し、ポップヒット Owner of a lonely heart を産み出した人物。その後、数々のヒット曲に絡んでいて、ヒットメーカープロデューサーとして名高い人物。そんな、Trevor Horn による、古き良き名作群をオーケストラで再現したカバー作品集が、Trevor Horn Reimagines - The Eighties Featuring the Sarm Orchestra としてリリースされた。カラフル
オーケストラを活用しながらも、シリアスな雰囲気ではなくカラフルな雰囲気に仕上がっているのはさすがのヒットメーカー。ヒット作ばかりなので、ほっといてもいい楽曲ばかりだけれども、その原曲の良さに負けずにさらなる良さを作り上げているのはさすがの手腕と言うべきところだろう。
渋い
また、様々なボーカリストを起用していて、なかでも、Marillion の Steve Hogarth を登用しているところは、ファンは溜まらない。それから、YESのヒット作では、自らがボーカルをとるというところもまた、面白いところですね。
気持ちよさ
端正に作られている密度の高い音と、原曲の良さが相まって、とっても心地よい作品です。とんがった感じではなくて、たまには落ち着いて見たいなって時にゆったりとした気分で聴く、そんなアルバムです。やっぱり味が深い Carptree の新作 Subimago
Carptree
スウェーデンのプログレバンド Carptree。独特な味わいを持ったシンフォニックロックを展開するバンドで、テクニカル系ではなくて、雰囲気を作り上げて、強い印象を残すサウンドを展開している。その最新作、Subimago がリリースされたので聴いてみた。健在
彼ららしい、独特の味わいは新しいアルバムでも健在。スぺーシーな浮遊感漂うサウンドの中に、ハイトーンながらちょっと Fish のような癖を持つボーカルが、コレがまたさらに雰囲気を作り上げる。印象深い
このスタイルが独特で、不思議な印象深さを残していく。決してテクニカルな分けでもないし、歌も激うまな感じでもない。ただ、とにかく印象深い。その印象深い雰囲気を、だけれども、雰囲気だけで作り上げているのではなくて、細かいキーボードワークなどで、しっかりと装飾して作り上げている。こういった細かい技が聴いているので、ただの雰囲気だけにはとどまらない、何度も聞きたくなる一方で、何度聞いても、やはり印象深さが続くという、不思議な麻薬的世界となっている。プログレ付き向け
そんな感じなので、古くからのプログレ好き向けのサウンドだと思う。メタル系が好みな人からすると、あまり受け付けないかも。ただ、一度嵌るとこの雰囲気は、なかなか抜けれないほどに嵌ってしまいます。
関連リンク:
Carptree関連サーチ:
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Coheed and Cambria やっぱりエモくて心地よい
Coheed and Cambria
壮大な宇宙的オデッセイを描き上げている Coheed and Cambria。もはや、その物語がどのように展開して行っているのかは、ついて行くことが出来ていないものの、その物語とは関係なく、そのサウンドは十分に楽しめるそれ。The Unheavenly Creatures と題された新作がリリースされたので聴いてみた。圧倒
はっきり言って、圧倒されます。あのエモい世界、サウンドは、そのうち引き出しがきれるのではと思わせるところもあるのだけれども、そんな懸念は一切関係なし。今回も、物語としての構築を感じさせるアルバムの構成に加えて、複雑で激しい演奏、そして、彼らの代名詞でもある圧倒的なエロディーライン。この総てが、またしても、このアルバムで披露されていて、しかも、焼き直し感ゼロだから凄い。キラーチューン
特に、タイトル曲でもある「Unheavenly Creatures」から、「Toys」の流れは、もうにやけずにはいられないし、何度も何度もリピートして聞きたくなるほどのメロディアスさ。独特の声質であのキラーチューンを歌われると、なんとも、ノックアウト。すばらしい
上記以外の曲も当然ながらいいできです。まぁ、彼らの作品は過去も含めてあまりにもいい作品がありすぎるので、その中でもベストといえるかどうかというとというところはありますが、存分にいい作品で、個人的には今年のベストアルバムの一つとしたくなるほど気に入ってます。メロディアスプログレメタルをご堪能ください。
関連リンク:
Coheed and Cambria | Official Website関連サーチ:
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Coheed and Cambria(del.icio.us)
Coheed and Cambria(Last.fm)
Coheed and Cambria(YouTube)
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飛躍的な進化を果たした Gösta Berlings Saga
Gösta Berlings Saga
スウェーデンのバンド Gösta Berlings Saga。その暗鬱とした世界とヘヴィネスが、北欧暗鬱系サウンド Ankdoten なども想起させ、印象深い作品を残してきた。そんな彼らの新作 Et Ex では、ただでさえもただ者ではなかった彼らのサウンドが、さらにさらに進化を果たしていました。疾走感と
まず、印象深いのは疾走感のあるサウンド。雰囲気に重きを置いていて、疾走感というイメージがあまりなかった彼らだが、この作品では、その疾走感を感じさせる側面が多く出てきている。しかし、一方で、そのような一定速度で攻め続けるようなスタイルではなく、緩急を織り交ぜながら、世界を描いていくところは、さすが彼ら。そして、そこから、音をねじ曲げながら、重さ暗さを深めていくという。これは引き込まれずにはいられない。演劇的
そして、その音の構成の仕方が、なんというか、物語を語るよう。舞台が頭の中に浮かんでくるような、音響作りを間に挟みながら、様々な雰囲気を持った音世界を描き出してくるので、それがなんとも感情的。最前線に
前作までも、かなりかっこよくて独自のサウンドを作り出してきては痛けれども、どちらかというとキワモノ感もあって、最前線というよりは、特異点というイメージだった彼らだけれども、ここ最新アルバムでは、一気に最前線に躍り出てきたという印象。メジャーな音作りをしつつも、彼ららしい世界は残してきているので、完成度とオリジナリティーが共存している希有な事例。これは圧倒的にかっこいい。また、エレクトロな雰囲気までも導入してきていて、いや、すごいね。
絶品
今年のベストプログレアルバムの一つともいえそうな、そんあレベルの高い作品。全プログレファンにお勧めします。関連リンク:
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